【続編】長男のカゴ

グッと握られた腕に引っ張られ、近くの空き教室に連れ込まれた。



「善君がさ、この前突然部屋に来たよ」

「どうして…?」

「怜ちゃんに構うなって。愛されてる~」

「ねぇ、どいて?あたし…雪村君とふたりになるとかムリ」

「なんで?俺は危険?」

「危険でしょ。こんなことしてる」

「じゃあ逃げるべきだったね」



抱きしめられたカラダが雪村君と密着。



ヤバい、あたし…逃げたい!!



「怜ちゃん、浮気しようか」

「ふざけんなっ!!」

「そそるね、反抗的な態度。でも俺にはやめてやる義理もないってことで。いただきま~す」



ウソだ…。



ヤダヤダヤダヤダ!!



「いっ…噛むことないのに…」

「なんですんの!?あたしっ…雪村君…大嫌いっ!!」

「あらら、泣いちゃった?どう?兄と弟、どっちのキスがうまい?」

「兄と…弟…?」

「俺の父親の名字教えてあげるよ」

「えっ…?」



『氷流』



どっかで…聞いた名だ…。