行きの車の中、善は寝ていた。



本当に寝てるのか、胸の中にあるモノを押さえるために必死だったのか。



それはわからない…。



「なんだよマック!!ここ日本か!?」

「中世ヨーロッパ風ですね」

「スゲー!!中入ろうぜ~」



マックも善を気にしていて、どことなくいつものマックじゃない。



あたしとマックは口も開かぬまま、立派な建物へ足を踏み入れた。



「タク」

「和香…」

「遅かったね。待ちくたびれたよ」

「俺の婚約者…」

「東条 和香といいます。いつもタクがお世話になってるみたいで」



1つ下って言ってたよね…?



なんか見たことある気がする…。



1年S科だよね!?



「スゲーおっぱい…」

「善君、違うでしょ?ご挨拶が先でしょ?」

「何だ怜、ヤキモチか?」

「はぁ!?マックの彼女に妬くわけなくない!?」

「クッ…なんか必死っ…」



さっきまで申し訳ないとか思ってたあたしがバカ!!



ムカつく!!