【続編】長男のカゴ

急遽決まった里帰り。



善と電車に乗り2時間、久しぶりに地元に降りたった。



「お前ってなにげに都会っこだったんだな…」

「でも住んでるとこすごいよ」

「マジで?」



そりゃあ善の家のお城なんかと比べたらうちは倉庫みたいなもんだよ。



飲んでなきゃいいんだけど…。



しばらく歩いて着いた我が家。



「ね?ボロいでしょ?」

「バカか。レトロっつーんだ」

「なんか今の言葉でめちゃくちゃ救われた」

「よ~し!!突撃だ」



築80年の家のカギはほぼ閉まらない。



だからいつも開いてる状態で、やっぱり今日も開いていた。



「ただいま」

「ぬぁ!?」

「いたんだ…。って、仕事は?」

「やめた~。今夜型」

「あっそ。彼氏、善っていうの」

「マジか!!お前男できたのか~。イケメンっつー人種だな。俺も負けてねぇ」



相変わらずウザい!!



どこに10年前のTシャツ着たイケメンがいるんだよ!!