【続編】長男のカゴ

ムカついてるけど怜がどんなことを思っているのかわからない。



いつもはただ隣で寝ている俺と怜。



でも今日は俺の気が済まない。



背中を向けて寝ようとしてる怜に腕を回した。



「俺は怜じゃねぇから…」

「うんっ…」

「言ってくんなきゃわかんねぇよ…」

「あのね?あの…善と住む世界が違いすぎるのかなって…ちょっと思って…」



世界が違うなら、そんなもんぶちこわして新しく作ればいい。



俺は別に怜との差なんか感じちゃいねぇのに…。



「雷は留宇と結婚するために藤間の養子になったんだって」

「えっ?」

「留宇の実家、超超超金持ちで。雷は自分で作った場所があったらしい」

「それでも留宇さんのために…?」

「会社をデカくしたのは確かに雷だけど、雷は自分で今の世界に飛び込んだんだ。何の知識もなかったのに」

「すごい…ね…」

「それが雷の作った世界。だから俺は俺の世界を作りたい。それは怜がいる場所と違う世界か?」

「違くない…」



なら悩む必要なんてねぇ。