【続編】長男のカゴ

近野の車に乗ったら怜が無言。



何だよそれ。



「どうでしたか?」

「よくわかんね。つまんなかった」

「そうでしょうね。でも藤間の後継者が永瀬に顔を出したことが重要ですし」

「もう当分勘弁」

「わかりました」



一言も話さなかった怜に俺も声を掛けづらくて。



家に入ってやっとネクタイをはずせた。



「お疲れ様~!!大丈夫だった?」

「すごく疲れました…」

「お風呂入って早く休みな?雷さんもまだ帰って来ないみたいだし」

「じゃあお言葉に甘えて…」



怜、なんかあったよな…。



聞き出すのは風呂の後か…。



「どうだった?」

「コレ、なんなわけ?怜のいない隙に」

「狙われてるんでしょ、独身だから」

「藤間の財産目当てってこと?」

「そうだね。雷さんにも未だに寄ってくる人いるしね~」

「マジ!?そんな時留宇はどうすんの?」

「見ないふり~。それで雷さんがどっか見たら許さないもん。離婚してやる」



留宇、スゲー…。