あの時くらいかも。



雷にぶん殴られたの。



「最近まで俺って『氷流』だったんだけど」

「藤間…じゃなくて?」

「ん、学園入る少し前に養子に入った。会社継ぎたいとか、そういう理由じゃなくて、雷と留宇の息子になりたかったから」

「辛かった…?」

「いや?分け隔てなく育ててくれたから。ふたり共大好きだし~」



ってのをとりあえず怜に言っといた。



俺の親はあのふたりしかいねぇし。



「美衣はどこ~!?」

「ここぉ~!!善兄といる~!!」

「あっ、よかった。善が帰ってくるからって、厘とケーキ作ったの。食べよう!!」



留宇は超いい母ちゃん。



留宇は俺の自慢の母ちゃんだ。



荷物を置いてリビングでチーズケーキを食った。



「うめぇよ、厘」

「俺が作ったからな!!ママ、1回失敗したから手伝ってやったんだ~」

「相変わらずモノ作り好きだな、お前」

「スゲー?」

「スゲー!!」

「へへっ…」



絵を書いたり、モノを作るのが好きな厘。



現在陶芸教室に通ってる。