【続編】長男のカゴ

あまり食べられなかったご飯。



気分が落ちたまま部屋に向かった。



「怜」

「善…」



キョロキョロした善があたしの手を引っ張り、非常階段に連れてこられた。



今はそっとしといてほしかったのにぃ~…。



「わかんないことなら教えてやるから」

「善が?」

「俺が」

「あたしってS科にいていいのかな…」

「なに自信なくしてんの?自分で頑張るって思ってたんじゃねぇの?」

「だって…」

「俺が教えてやるって。ゆっくりでいいんだ、そんなこと」



善って絶対心を読むのが得意だ…。



見透かされてるみたい…。



あたしが落ち込んでるってわかったから引き留めたんでしょ?



「ありがとう…」

「おぉ、素直な怜だ…」

「文句あるの!?」

「ねぇよ?部屋戻んなきゃな」

「うん…」

「じゃ、また明日。テスト頑張る~!!」



もっと…一緒にいたかったのになぁ…。



なんだか寂しい…。



キス…したかった…。