「ありがと」 そう言って飲んだホテルブレンドは、夢の中の“ヒカリ”を連想させるように、穏やかだった。 心地よい、落ち着くあたたかさだ。 「そういえば俺、数学Aが95点だったんだ」 『ああ、数学できるって言ってたっけか。……ここのところ、順調か?』 お茶うけにクッキーをさしだしながら、問われた。 何がなんだかわからないまま、俺は口を開いた。 「今、夢をみたんだ」