『亜実ちゃん、アドレス教えて?』 『いいよ、はい!』 お互いに赤外線でアドレスを交換している。 見せつけてんの? といわんばかりのような光景。 悲しい、とかじゃないなもはや。 笑えてくる、ああ、そりゃもう大爆笑だよ。 そんな、3学期最初の1日だった。 「失礼します」 『ああ。こんにちは。 ………何かあったんだろ。言ってみな』 すべてを見透かしたような活田の目。 俺、わかりやすいのかな。