「ルイ・・?」

あれから、ルイが一点を見つめたまま全く動かない。

「え・・。あ、あぁ。」

あたしの言葉でやっと我に帰れたルイ。

ぶわぁっと風が真正面から吹いてくる。

やっぱり、近くに海があるみたい。

風に乗って潮のにおいがする。

「さぁ。帰ろうか。みんなもおなかすいたりしてるだろうし。」

「うん。そうだね。ねぇ、近くに海があるの?」

あたしは思わず聞いてしまった。

外に出れることがうれしくて。

“鎖”がついていないことがうれしくて。

「あるよ。明日でも行こうか。」

「いいのっ!?」

ニコニコと笑うルイ。