すっごく、恐かったことしか覚えてない。

しかも、あたしが言った時からまたスピードを上げたのだ。

もはや、優しさのかけらもない。

サディストだ。

「・・・ルイって、バイクに乗ると性格変わるの?」

未だまわり続ける目の焦点を必死にルイに合わせる。

「う~ん。どうなんだろう。俺はよくわかんないんだけど、カラによく言われる」

今の発言で、カラの頭についていたピアスをむしり取ることが決定した。

何て奴だ。あいつ、それを知っててバイクを勧めたのか。

「レナちゃん。俺墓参り行ってくるけど、どうする?」

「んじゃ、あたしも行ってくる。」

「そっか。俺は2列目の一番奥にいるから、済んだらおいで」

「わかった。」

そう言って、あたしたちはそれぞれ目的のお墓に行った。