「あんた、俺らに拉致られたんだよ?」

手すりにもたれながら続ける。

「その自覚あんの?」

拉致られた。か・・・。

正直、拉致られた。という感覚はなかった。

むしろ、救われた感じだった。

お礼を言いたいぐらいだった。

あそこから逃がしてくれてありがとう。って。

「拉致られた。っていうより救われた。って感じ」

うつむきながら答えた。

「あそこから、連れだしてくれてありがとう」

ほほ笑みながら顔をあげると、シュウは面食らったような顔をしていた。

シュウからの次の言葉が怖くて、あたしは急いで外へ出た。





太陽が眩しかった。