長い廊下を通って玄関に着く。

なに、この玄関の広さ。

さっきのバスルームと大して変わんないんですけど。

「レナちゃんが行きたいお墓ってどこにあるの?」

前のいきさつを知らない人だったら確実に誤解される言い方だ。

「大通りを抜けたところ・・・。」

「あぁ。じゃあ俺のとこと一緒だ。」

そう言いながら、ドアを出てルイは先にどこかへ行ってしまった。

残されたあたしは、一人玄関の段差に腰を下ろして待ってた。

「どっか、出かけんの?」

ふいに、少し眠たそうなやわらかい声が聞こえてきた。

近くにあった階段に、そいつは立っていた。

確か名前は・・・。

「もしかして、もう俺の名前忘れた?」