そう言って、今まで座っていた椅子から腰を上げこっちにくる、ミズキ。

「珍しいこともあるんだなー。お前が自分から動くなんて。」

「ほっとけ。」

カラの嫌味にはもう目もくれずにドアから出て行こうとするミズキ。

「早く来い。」

ちらりとあたしを見ながら、つぶやく。

どうやら、あたしを部屋まで連れて行ってくれるらしい。

「もしかして、部屋ってあたしが寝かされていた場所?」

「あたりまえだろ。」

まじでか。あそこには確か、冷蔵庫とソファにベッド壁際にクローゼットっていうかそんなもんがあった気がする。

「ねぇ。あそこに家具増やしたい時ってどうすればいいと思う?」

「・・・・。」

その、知るかよ目線やめてくれない?

けっこう痛い。