「俺は、黒兎の副総長だよ。よろしくねレナちゃん」

ふわりと笑うその顔はめちゃ爽やかだ。ミルクティー色の髪がふわふわ揺れる。

「よし、一通り終わったな。役割も一応説明しておいてやる。」

完全に目が時計を気にしてるよ。そんなに気になるなら録画しとけよ。

「黒兎はもちろんボスだ。その下に妖狼と妖狐がつく。こいつらはいわば司令塔と黒兎の右腕だ。そしてさらにもう二つずつ下がつく。」

「闇蛇、闇虎、霧猫、鷲神ね」

「察しがいいじゃねーか。そうだ。妖狼の下に霧猫と鷲神がつく。霧猫はマッポ、警察を撒いたり敵を引き付ける係だ。」

「鷲神は?」

「鷲神は敵を拉致してくる役目がある。立つ鳥跡を濁さずって奴だ。」

「なるほど」

「んで、妖狐の下に闇虎と闇蛇がつく。闇虎は特攻部隊だ。敵の本部に奇襲をかけることが多い。闇蛇は鷲神が拉致してきた奴らから情報を聞き出す役だ。」

「ふーん。各チームちゃんと役割があるんだね。」

ヒサが今まで吸っていたタバコの火を消しながら煙を吐き出す。

もっとただ、喧嘩を楽しむ非道な奴らだと思っていた。

だって、今まで“あたしがいたところ”がそうだったから。