俺はケータイを閉じるとヒサのもとへ向かった。



レナちゃんがいなくなったあの日からヒサは荒れっぱなしだ。



ユウコとアキなんてもう3日も帰ってきてない。



最近潰れてる族が多いから、たぶんこの2人だろうな。



「ヒサ。入るぞ?」



部屋の前まで行きドア越しに聞く。



「ルイか。入れ。」



ドアを開けるとベッドに仰向けになって顔を右手で覆ったヒサがいた。



「大丈夫かお前。」



ろくに飯も食ってないヒサ。



「あぁ。それよりどうだ?まだか?」



「シュウが言うにはヤミが動いてるらしい。」



「シンじゃないのか。」



「あぁ。」



「・・・・。」



よく考えるとシンが動かないでいるのは確かにおかしい。



あれだけの執着を見せておきながら。