恐る恐る、声をかけてみる。

「どうして、そう思った」

低くて、少しハスキーな声があたしに届いた。

「直感。」

「はは。直感か。」

そういうと、今まで座っていたソファから

立ち上がってあたしの前まで来ると

「俺のことを知ってるのか?」

知ってるのか?知るわけないでしょうが。

でも、後ろにあるその旗を見て

ハイ知りません。なんてのも言えるわけないでしょーが!

そう、その男の後ろにある旗には

「きょ、狂獣連合・・く、黒兎・・。」

「その総長が、俺だ」

低く唸るような声が、後ろのドアから聞こえた。