はい。抱きしめられました。


それよりっ、く、苦しい...

「あ、あのっ...瞬...くん?」


そういうと、余計に強く抱きしめられた。


対応に、困るなぁ...


【瞬side】


目の前で、あたふたとてんぱってるコイツ。

はい、みなさんどーも。夏目瞬です。


ただいま、李紅を抱きしめ中。
コイツが悪いんだよ。そうだ。



小顔で華奢な体格。
男子なら、だれでも抱きしめたくなるだろう。
そこからまた、考えられないほど豊富な胸。
癖っ毛のようだが、くるんといい感じにウェーブになっていて、栗色の腰まである綺麗な髪。
透き通ったような白い肌、くるりとした大きな二重の目の周りには、囲むように黒い長い睫毛。
桜色の唇。こんな美少女は、見たことがない。
おまけにスタイル抜群。


そこらへんのモデルより可愛い。


あくまですっぴんだ。


まるで、フランス人形のよう。


そこらへんの女と違うのは、男に媚を売らないことだ。
この容姿なら、男を誘えば誰でも誘悪できんのに。


香水なんかつけてない。香るのは、桃の香りだけだ。


本人は自覚無しだけどな。

天然で鈍感少女だから。


無防備にしては、すごいよ。

そんなこと考えてねぇだろうけど。


小悪魔だよ。ぜってーに、入学した途端に有名人なんだろう。


男から逃れる作戦をひそかに考えている瞬だった。