朝ご飯を食べにリビングへ向かうと、お父さんもご飯を食べていた。

「友美、おはよう」

「おはよ」

「どうした??寝不足か??」

「ううん。なんか朝…家の前で人影見えて…。なんだったんだろ」

男の人なのか、女の人なのかさえも分からないし。

「友美、それ、黒い服着てたか??」

「えっ?えーっと…うん、たぶん着てたと思う」

「そうか…。今日は十分に気を付けなさい」

「う、うん。分かった」

気を付けなさいって…もしかして…。

いや、まさかね。

「今日は悠樹くん来るのか?」

「来るよ?これからは骨折治るまで車で送ってもらう予定だし」

「来るのは何時だ??」

「7時30分だけど?」

私がそう言ったとたん、お父さんは時計を慌てて確認した。

「後5分か…。友美、電話して来たらすぐ家の中に入るように言いなさい」

「分かった」

私は悠樹に電話をする。

3コールで悠樹は電話に出た。

『もしもし友美??どうした??』

「悠樹今どこにいる??」

『今は…あ、ちょうど友美ん家が見えたとこだけど??』

「そう。着いたらすぐ家に入ってきて!」

『はぁ?!なんで??』

「いいから!」

『わ、分かったよ』

「それじゃ、また後で!」

そう言って電話を切る。

「悠樹くん、なんか言ってたか??」

「うん、なんか納得してないみたいだったけど、無理矢理押し通したから大丈夫だと思う」

「そうか…。無事に着くといいんだが…」

そんな父の心配は………見事に的中してしまうのだった。