「……よかった。」


葵くんは、私の耳元で、弱々しく呟いた。


「葵く……」

「俺、千里さんのこと、まじで好きですから。」


私はその言葉に顔を上げた。


「さっきのは、菜々子っていう、幼馴染みなんです。」


葵くんが話し出す。


「たまたま千里さんがお手洗い行ってるときにあって。
……それで話してただけだから、」

「葵くん……、」


私は葵くんの言葉を遮った。


「何??」