「いらっしゃ~い。」 『お邪魔します。』 翌日、 私たちは、綾の家に来ていた。 「なぁー、綾。葵は??」 武志がキョロキョロしながら綾に聞く、私の知らない名前。 「あー、部活なんじゃん?」 「ふーん。」 興味なさげに答えた綾にそっか。とこぼす武志。 「ねぇ……、“葵”って、誰??」 私はおもいきって綾に聞いてみた。 「あたしの弟。」 「はへっ……?」 おとうと……? ……弟っ?! 「綾、弟いたの?!」 「うん。2個下。」 「受験生じゃん。」 謙治が口を挟む。