「帰るよ。」 「えッ?!あ、うん!!」 俺は千里の腕を引っ張って、帰ろうとする。 「ぇ、ちょっ、みんなはいいの!?」 「どーせ明日会えるし。」 「でも、全国出場だよ!? みんなとわいわいしたいんじゃないの??」 「さっきした。」 千里は気を使って俺を戻そうとする。 「ダーメ。」 「ひゃ……。」 俺は後ろから千里を抱き締めた。 「ちょ、ここみんな見てる!!」 慌てた声を出す千里と裏腹に、 俺はこっちを凝視するチームメイトに向かって、 フッと笑った。