関係者出入り口に着くと、案の定壮介たちに囲まれている千里。 「どけ壮介。」 俺は千里の腕を引いて、腕の中に閉じ込めた。 「葵……。」 千里はホッとした表情になる。 「待たせてごめん。」 「ううん!! 全国出場おめでとう!!」 千里は満面の笑みを俺に向けた。 「ありがとう。」 千里につられて俺にも笑みがこぼれる。 そのとき、 『葵が笑った!!』 チームメイトたちが、 俺を見て驚く。