「えと……、」

「何で??」


私は口を開いた。


「葵くんに、迷惑かけれないと思ったから……。」

「迷惑?」


葵くんは眉をひそめる。


「葵くん、負けられない大事な試合控えてるし、受験だって大変だし。
……私なんかのことで、迷惑かけれないと思ったの!!」

「“私なんか”??」


私は俯いた。

頭上から、大きなため息が降ってくる。