「会話っていうほどじゃないけど……、
自己紹介?」

「へー。珍しー。」


綾が、ポツリと呟く。


「……。」


無言の謙治。


「謙治?」

「……。」

「あー……」


武志が苦笑いをこぼす。


「謙治、ジェラシー?」


その様子を見て、綾はニヤッと笑いながら謙治を小突いた。

?じぇらしぃー?


「は?謙治が?誰に?」

『………』


3人の視線が私に刺さる。


「……ははっ」


その視線と沈黙を破って、謙治が笑い出した。


「なんでもねぇよ!ほら勉強すっぞ‼︎」


この鈍感!と叩かれて私は不貞腐れながら問題集と格闘を始めた。