ポーカーフェイスとあまえんぼ

「――と、千里!!」

「ふぇっ?!」


考え事をしてトリップしていたら、
綾に現実に引き戻された。


「トリップしないの。」

「あぁ……、ごめん。」


私は綾に謝って、
もう一度携帯画面を見た。


「にしても、葵ムカつく。千里にこんな目に遭わせて。……帰ったら言っとくね。」


ガタッ。


「ダメ!!!!」


私は立ち上がってそう言った。


『……千里??』


綾と武志が驚いた顔をする。


「お願い……。
葵くんには、言わないで……。」


私は呟くように言った。