「そう……だよな。」 「そう……だよね。」 ふたりは私の頭を撫でながら俯く。 「でも……、 そのアドレス、見たことある気がする。」 綾は首をかしげながら呟く。 “菜々子っていう、幼馴染みなんです。” 私は、付き合う数時間前のことを思い出していた。 菜々子さんのあの瞳……。 明らかに葵くんに恋してる瞳だった。 いや、でも菜々子さんかどうか分からないし。 違ったら凄く失礼だから、安易に名前を言えない。