屋上から帰ってきて、
私は、教室のドアを開けた。


「千里……って、大丈夫?!」

「何が?」


綾と武志は、私を見るなり驚いた顔をした。


「何がって……、千里、泣いてるじゃん!!」


……ぇ?

どうりで視界がぼやけるわけだ。


「あの…ね、」


私は、
ふたりを見た途端、
溜まっていたものが弾けたように、全て話した。


「そっか……。」

「全然気づかなかったから、頭が混乱してて……。」

「……。」


武志はなにもいわずに、頭を撫でてくれていた。