痛くない……。 けど、腰に回っている腕。 それは謙治のもの。 「っ、離して!!」 「無理。」 「はぁッ?!」 私は思いっきり力を入れるけど、びくともしない。 「謙……治、」 「千里。 好きだ。好きなんだよ。お前のこと。」 私の肩口に顔を埋めて、繰り返し呟く謙治。 「……。」 「だから、俺を選んでくれよ。」 私は、謙治の腕が緩んだのを見逃さなかった。 ドンッ!!!!