一瞬、
何が起きたか理解できなかった。


……ううん。
したくなかった。





唇に何かを押し付けられてる感触。





間近にある、謙治の顔。





謙治がつけてる香水の、強い香り……。











……キス、されてる。


「ッや……!!」


私は謙治を突き飛ばして睨む。


「……ッにするの?!」


無言で、絶対こっちを見ない謙治。





私は視界が潤んでいく。


「何でキス……。」