「俺のことは、諦めろ。」

「……ぇ?」


菜々子は驚いた顔をしている。


「お前をそういう目で見れないから。」

「気づいて……、」

「俺には、千里さんしかいねぇから。」


俺は自分の部屋を出ていった。


「……いってきます。」





先に出ていったから、
気づかなかったんだ。





菜々子に、





「森山……千里。」


机の上の紙を見られたことに……。