ポーカーフェイスとあまえんぼ



「うー……。」


私も促されるまま渋々座る。
……追試とか、ほんと面倒。


「留年してもイイの?」

「それは、嫌。」


綾の問いかけに即答する私。


留年は、死んでも嫌。


私は嫌々ながらも問題集を開いて、解き始めた。

えええと、大問1……


「そういえば、綾の中学ってどこだっけ?」

「……」

「んー4中ー。」

「………」

「へー、頭いい中学だったよな。4中って。」

「まぁね。」

「…………」

「おい、千里?手が止まってる。」


謙治の声とともにみんなの視線がこっちを向くのがわかった。