「……キミ?」


キミの異変に気付き、

フランは問う。


『……ん?どうしたの?』


キミはすぐに意識を取り戻し

自分を心配そうに見つめる

フランに問いかけた。


キミは何事もなかったように

フランの頭を優しく撫でる。


「……何でもない。

……キミのおかげでちょっと

スッキリした。

私、裏切った人達の事、

大好きだったから許そうと

努力してたの。二人の事、

憎いって言ったのさっきが

初めて。心の奥では

どうしようもないくらい

憎かったのね」


フランは涙を流しながら

苦笑した。


『人を許すのって簡単に

できることじゃないと思う。

努力もそんなにしなくて

いいんじゃないかな?

時が経てば冷静になって

自然と色々なものとか

見えてくるから少しずつ

許していけばいいと思う』


キミは小さな両手で

フランの涙をすくった。


「……そうね。きっとキミは

私より大人ね。

小さいけどお母さんみたい」


フランはそう言って

初めて微笑んだ。


キミはフランの笑顔を見て

嬉しくなり微笑み返した。