その日からオレとミルは

親しくなった。


オレの人生最高傑作品は

二人だけの秘密の花園になった。


翌年のヤドリギ祭の日

お前から告白してくれて

両想いになって

あの場所で絆を深めていって……


だけど、オレはどんどん美人に

なっていくお前に

不安しか抱かなくなっていった。


村一番の美人を他の男が

ほっとくわけがなかった。


平凡で冴えないオレと

村長の娘で美人のお前。


俺たちは釣り合わない。


そんな事ばかり考えるように

なっていった。



だから、あの夜

オレはあの花畑で


〝オレ達別れよう。

お前にはもっと相応しい奴が

いるから〟


〝なんで?

わたしが好きなのはジオだよ!

わたしの事が嫌いになったの?

……わたしに相応しいって何?

……待って!行かないで!

ジオ!〟



大好きだったのに


……愛してたのに


……今でも愛してて


忘れられないのに



オレが村を出てから1年。


背後で泣き叫ぶあの声が

今も耳に響く。


―お前のところに

……帰りたい。