街の入口に差し掛かった辺りで

ジオは足を止めた。


「なぁ、キミ。変な石像が

道の真ん中にたってるぞ」


ジオは前方5メートルにある

石像を見て言う。


『本当だ。

何のためにあるんだろう?

オブジェ?』


キミは首を傾げる。


「ただの街人にしか

見えないけど、この石像の

モデルになった人は

きっと街のヒーローだな」


ジオは石像を横目で見ながら

通りすぎ、街へ足を踏み入れた。


「!?」


ジオは街中石像だらけなのを

見て絶句した。


『うわぁ!すごい!

ここ石像の街?』


キミはそこら中に石像が

溢れている光景を見て

ジオの胸ポケットではしゃぐ。

「なわけねーだろ!

……よく見てみろよ。

……あの荷車ひいてるおやじは

石像だけど、荷車と積んである

野菜は本物だ」


ジオは人々を石像にしたのは

魔術師の仕業とみて

辺りを警戒する。


『うん。そうだね。

一体誰がこんなこと……あぁっ!!』


キミはジオが指差した石像を

見て哀れんだ後、大事な事を

思い出して叫んだ。