何が起きているんだ?

なぜ人が石に?




僕は生存者を求めて外に出た。


門番の兵士も石像のようだ。



馬の鳴き声が聞こえた。


僕は馬達のいる小屋へ向かう。


久々に感じる土や草の匂い。


そして動物の臭いや息づかい。


僕は2年ぶりに愛馬と再会した。

「……やぁ。

久しぶりだね。コーエン。

……僕を覚えている?」


僕は大好きな白馬、

唯一の友の体をそっと撫でた。


コーエンは僕の手に体を

すり寄せる。


「ありがとう。

僕も会いたかったよ。

君が無事でよかった」


動物でも自分以外に

石になっていない存在がいて

ほっとした。


馬たちは全頭無事だった。


僕は柵を外し

コーエン以外の馬を放った。


「皆がいつ元に戻るか

わからないから

しばらくは庭の草で

我慢してほしい。

必ずこの状況を解決して

戻ってくるから。

みんな元気で」


僕は馬たちに声をかけながら

庭に放った。


長い旅になることは明らかだ。