ジオとミルはヴァネッサと

シェリ宅に着いた。


「ジオの仲間ってこんな

お屋敷に住んでるの?

すごーい!」


ミルはレンガ造り二階建ての

ヴァネッサ宅を見てはしゃぐ。

「あと二人は城に

住んでるけどな」


ジオは苦笑する。


「オレ達は木造二階建てが

精一杯だな」


「そうだね」


二人は現在建設中の新居を

思い出して幸せに浸り、

屋敷の中に入った。


「まぁ!ジオじゃない!

手紙読んだわよ。久しぶりね」


ヴァネッサはジオを歓迎した。


「本当久しぶりだな。

ヴァネッサ、紹介するよ。

こいつはオレの……」


「愛しのミルでしょ?

こんにちは!

天才バイオリニストの

ヴァネッサよ。ジオったら

旅の間中、ずっとミル、ミル

ってあなたの話ばかり

してたのよ。よく来てくれたわ」


ヴァネッサはジオの言葉を

遮って言い、ミルの手を握って

自己紹介する。


「はじめまして。

ミルクレアです。

ヴァネッサさんが

この間、賞を受賞したって

聞いて二人で喜んでたんですよ」


ミルはにこりと笑って言う。