シェリと共に自室のテラスに

降り立ったヴァネッサは

亡き弟の部屋に向かい、

シェリに弟の服を着せてやった。


「ぴったりね。ママとパパに

紹介するから行きましょう」


ヴァネッサはシェリの

手をひいて、両親のもとへ。


ヴァネッサの姿を確認した

両親はほっとして涙を流した。

「ヴァネッサ、あなたどこへ？

心配したのよ」


ヴァネッサの母はヴァネッサを
抱きしめ泣きくずれた。


「置き手紙でもしてくれば

よかったわね。

ごめんね、ママ、パパ。

心配かけて。

ちょっと旅に出てたのよ。

それで……旅の途中で仲間に

なった子なんだけど、

この子両親をなくしてしまって

一人なの。だから弟にしていい？」


ヴァネッサはシェリを紹介した。


両親はシェリを見て、


「ビートに似てるな。

これはビートの服？」


ヴァネッサの父は息子が

戻ってきたような感激を覚えて

ゆっくりシェリに近寄る。


「お名前は？」


母は複雑な気持ちではあったが

目の前のシェリに母性を

感じずにはいられなかった。