「うちに来なさいよ」


ヴァネッサが何の迷いもなく

言った。


「え!?」


意外な言葉に全員驚く。


「ヴァネッサ、子供とか

嫌いだろ?

いじめないだろうな?

それにそんな簡単に決めて

いいことじゃないぞ」


ジオはシェリの身を案じて言う。


「いじめないわよ。それに

ちゃんと前から決めてた事よ。

おまぬけ四人組とは違って

この優しいヴァネッサさんは

シェリに食事を

届けてたんだから。

もう絆もできてるも同然よ。

シェリ、うちに来なさい。

美味しいご飯もいっぱいよ♪

あたしのパパもママも

きっと喜ぶわ」


ヴァネッサの言葉に

ただ全員驚く。


「どうりで。人数分作った

料理が足りなかったり

したのよね。

一言声かけてくれたら

良かったのに」


フランは不思議に思っていた

事の謎がとけて納得した。


「全員で食事を届けたら

毒いりじゃないかとか

疑わしいじゃない。だから、

こっそりやってたのよ」


「あぁ!本当だ!」


ハーヴァルドは自国の

紋章の入ったランチョンマット

を見つけ、ヴァネッサの話を

信じた。