「ふふ。やるじゃない。フラン」


ヴァネッサは窓から見て言う。

『わぁ。ロマンチック♪

ハーヴァルドったら純粋ね』


フラン達の日課をこっそり

見守るのが二人の日課だ。


「やだ!なんだか曲が

溢れてきたわ!弾きたい!」


ヴァネッサはうずうずし始める。


『ダメだよ!覗いてたって

ばれちゃう!二人の邪魔しちゃ

ダメ!』


キミはバイオリンを持った

ヴァネッサを必死でとめる。


「……そうねぇ。

また怒らせるといけないし、

楽譜におさめておきましょう。

ルールールルー♪」


必死でとめるキミを見て

ヴァネッサも思い留まり、

鼻歌をうたいながら

楽譜に記していく。


『ヴァネッサは歌も上手だね』

キミは心地良さそうに

ヴァネッサの歌声を聞いて言う。


「当然よ。ピアニストの

パパのおかげで絶対音は

入ってるし、ソプラノ歌手の

ママのおかげで声の出しかたも

ある程度知ってる。

あたしが天才なのは

両親のおかげね。

感謝しなきゃ」


ヴァネッサはにこりと

笑って言った。


翌日、馬具も完成し、

共鳴者達は出発した。