「これなら直せると思うけど

道具がないとな」


「本当ですか!」


ジオの言葉にハーヴァルドは

飛び付いた。


「鍛冶屋か鍵屋があれば

打てるけど。

出発は明日に延期だ」


「わかりました。フラン達に

了解をとってきます!」


ハーヴァルドは笑顔を見せ、

部屋に向かい、すぐに

女子三人の了解を得て

戻ってきた。


二人は鍛冶屋を見つけた。


運よくはみの型も道具もあり、

使えそうないい金属もあった。

「ジオさんはどうして

こんなことが出来るんですか?」


ハーヴァルドは感心して問う。

「半人前だけど一応鍵職人だし

鍵屋だけじゃ食ってけないから

うちは馬具も扱っててさ」


村に帰ると決めてから

ジオは今まで話さなかった

自分自身のことを

話すようになった。


久々の作業に汗をかきながら

楽しそうに打ち込む。


「へぇ。ジオさんがいてくれて

助かりました。男らしくて

格好いいですよ」


「そうか?汗まみれだぞ?

……ありがとう」


ジオはミルも同じ事を

言ってくれた事を思い出し、

早く村に帰ろうと心に誓った。