―嫌だ!死ぬのは怖い!

死んだら……もう二度と

ミルに会えない。オレはミルを

忘れてしまうのが怖いんだ。


―だけどミルにはもう逢えない。

逢いに行っても恨まれているに

違いない。それかもう……

忘れられてるかも。


―どうすればいいんだ?

ミルに逢いたい。抱きしめたい。

声が聞きたい。

名前を呼んでもらいたい。

ミルのところに帰りたいんだ。


「じゃあ帰ってきて、ジオ」


外から聞こえてきた声に

敏感に反応し、

ジオは正気を取り戻し、

ゆっくりと顔をあげた。


「……ミル?」


目の前にいたのは

恋人だったミル。


ずっと逢いたくて

仕方がなかった人だった。


ジオは涙を流した。


「泣かないで、ジオ」


ミルはジオを抱きしめて

優しく頭を撫でて言う。


「……本当にお前なのか?」


ジオは嬉しくて信じられず、

ミルの感触を確かめようと

頬に触れた。


「わたしは、わたしだよ。

ジオの優しいところ、

独占欲かあるところ、

あまり見せてくれないけど

弱い部分もみんな好き」


ミルはジオを優しく

包みながら言う。