「怒らないでよ!

ヤドリギなんて所詮迷信。

おまじないに過ぎないんだから

そんなものに頼ったところで

何の効果もないわ。

今はうまくいった二人を

見守るのが私達のすべきこと

でしょ?二人の恋愛は

二人の自由なんだから

続こうが別れようが

二人の勝手よ。私達には

口出しする権利はないわ」


生き方に自由なヴァネッサは

主張した。


「オレが二人の恋愛について

どう思うかはオレの自由だろ?」


負けじとジオも言い返す。


「何?さっきからそれひがみ?

自分の恋愛がうまく

いかなかったからって

二人の恋愛を否定するわけ?」


ヴァネッサは気が強いので

口喧嘩では負けない。


「若い時は楽しいし、

今はオレ達とシェリしか

この世界で生きてないから

いいだろうが、国民が元に

戻ればハーヴァルドは王子、

フランは魔法使いとして

生きるんだ。王子はよその姫と

結婚するだろう。

フランとは結婚できないんだ。

これは一般論だ!」


勇気のないジオは

一般論に左右され

自分の意見は持てない。