「……ヤドリギ」


キミは瞳の色を失い、

人間の声でつぶやく。


「キミ?」


ヴァネッサはキミの異変に

気付いて心配した。


ヴァネッサの声を聞いて

キミはすぐに元に戻り、


『どうしたの?キミの顔見て。

ヤドリギ祭ってなんだか

素敵だね!ハーヴァルドと

フランにあげるの?』


笑顔で答えた。


キミは先日、ヴァネッサの

不器用な思いやりを知ったため

苦手意識がなくなった。


「その通り!

ハーヴァルドは心を取り戻した

みたいだけど、愛しのフランを

手にいれることで

更に心が強化されると思うの。

フランはフランで信じる心を

なくしてるでしょ?

だから恋人ができれば

いいリハビリになると思うのよ」


ヴァネッサは自分の提案を

誇って言う。


『ヴァネッサすごーい!

いっぱい二人のこと

考えてるんだね!

キミも手伝う!』


キミはヴァネッサが

意外と世話焼きなところに

感動して言う。


「じゃあ、ヤドリギ探すわよ!」


『おぅ!』


二人は張りきってヤドリギを

探しはじめた。