朝、珍しく早く起きた

ヴァネッサはキッチンの

鍋つかみの中で寝ていた

キミを起こした。


指でキミをつまみ、

左右に揺さぶって起こす。


『は、はぎゃ!?』

キミはものすごい衝撃で

目をさます。


「おはよう。森にヤドリギ

取りに行くわよ」


ヴァネッサはキミを

摘まんだまま言い、外にでる。


『え!?なんで?』


キミは突然の言葉に

完全に目が覚めた。


「決まってるでしょ!

今日はヤドリギ祭の日だからよ」


『ヤドリギ祭り?なぁに?

それ?楽しいこと?』



キミは問う。


「あんたヤドリギ祭のことも

覚えてないのね。

ヤドリギ祭は、

男がヤドリギの雄株、

女が雌株をもって

……好きな人に告白して

お互いのヤドリギを

交換できたら

永遠に幸せになれるっていう

言い伝えのある

独身男女のための行事ね」


ヴァネッサはおおざっぱに

説明した。