「我慢してはいけませんよ。

僕のように楽しむ心も

なくしてしまいますよ」


ハーヴァルドは昔、母が

泣いている自分を慰めてくれた

時のようにフランの頭を

優しく撫でながら言う。


フランは元婚約者ショーンに

慰められた時の事を

思い出していた。


ショーンとは違って

ハーヴァルドは細身のわりに

筋肉がバランスよくついており

その胸に抱かれた時、

意外と男らしくて心地よかった。




気を失ったまま

キミもまた眠り続けていた。


―花畑。

キミ、どうしちゃったんだろ?

確か魔法の力を手にいれて……

ここどこ?どうしてキミは

お花畑にいるんだろう?


キミは花畑の中に横たわる

女の姿を見つけた。


―ねぇ、どうして

こんなところで寝てるの?

風邪ひくよ?


キミは女に近付き、

女の胸に降り立った。


女に触れた時、

ものすごい孤独感に襲われた。


一人ぼっちな気がして

悲しくて悲しくて、

心にぽっかり穴があいたようで

涙がとまらず体は震えた。


―恐いよ!ジオ!助けて!

一人は嫌だよ!


キミは泣き叫んだ。