キミは泣き止んだものの

蛾と言われた事がショックで

ジオの胸ポケットの中から

出てこなくなった。


男のジオやハーヴァルドが

女のヴァネッサを起こしに

行くわけに行かず、

結局フランが起こしに行った。


ヴァネッサはやはりフランにも

罵声を飛ばしたが、

フランは【火】の魔法で

手の平に火の玉をだし、


「起きないと燃やすわよ」


と言って脅した。


ヴァネッサは火の玉を

髪に近付けてくるフランに

恐怖し、慌ててベッドから

飛び起きた。


ヴァネッサがやっと起きてきて

全員で朝食をとる。


「うちのシェフにはおよばない

けどまずくはないわ」


無理やり起こされて

少し機嫌の悪いヴァネッサは

言った。


『フランがせっかく

作ってくれたのに。

ジオとハーヴァルドも

お手伝いしたんだから』


キミは胸ポケットの中で

文句を言う。


「いいわよ、キミ。

キミも泣いて手伝わなかったし

手伝わなかった二人に

昼食は任せるわ」


フランは胸ポケットのキミに

聞こえるように言う。