ハーヴァルドは呼び捨てをして

未だに緊張したままだ。


緊張のせいか

彼はきれいに気をつけの

ポーズをとっている。


フランは様子がおかしい

ハーヴァルドを見つめる。


ハーヴァルドはフランの瞳に

吸い込まれ不動となる。


「ねぇ、熱あるんじゃない?

顔、赤いわよ」


しばしの沈黙を破ったのは

フランだった。


「……え?たぶん呼び捨てに

慣れていないので

緊張してしまって」


ハーヴァルドは顔に手を当て、

自分がどれくらいの熱を

帯びているのか調べる。


「そう。なら大丈夫ね。

サラダを作ってもらえる?

さっきまでジオが

やってたんだけど

あの通りキミを慰めている

ところだから……」


フランはそこまで言って

今まで感じていた違和感が

どういうものであるかを悟った。


違和感が疑惑に変わった。


「サラダを作ればいいんですね?」


「あ、ええ。そう。

お願いしていい?」


一瞬だけだが考えこんでいた

フランははっとして

ハーヴァルドに言った。


「はい、任せてください」


ハーヴァルドは笑顔で言った。