「両親の育て方が

〝何事も体験〟という形を

とっていたので。そのおかげで

僕は生きてこられました。

両親には深く感謝しています」


ハーヴァルドは少し

照れながら言う。


「……あの女、感謝の心を

なくしたんじゃないか?」


ハーヴァルドの言葉を聞いて

ジオはひらめいた。


「……そうね。会ったばかりの

私達をいきなりメイド扱い。

しかも王子まで。」


フランは王子までメイド扱い

するヴァネッサの態度の

大きさに驚いた。


フラン達は敬語こそ使わないが

王子には気を遣って、

食事の準備が出来るまで

椅子に座っているように言った。


だが、ハーヴァルドは自ら

それを望まず、夕食の支度を

手伝ってくれた上に

片付けもすすんでした。