一行はヴァネッサが

拠点としている家へ向かった。


家につくとヴァネッサは

一目散に自分の愛用している

部屋へ向かい、

作曲にとりかかった。


ジオ達は持っている食料を

調理して四人で食事をとった。


ヴァネッサも誘ったが

2階の部屋から降りてこない

上に、食事を運んで部屋の前に

置いておくよう命令された。


『一体何様のつもりなんだろ?』


キミは頬を膨らませて

胸の前で腕を組んだ。


「命令するのはなぁ。

料理も手伝わないし」


ジオは食後の紅茶を

飲みながら言う。


ヴァネッサを呼びに行った

二人は腹をたてていた。


「彼女、お嬢様だから

何もできないのよ」


バイオリニストのヴァネッサを

知っていたフランは

皿を拭きながら言う。


『でも、王子様はお手伝い

ちゃんとしたし、

料理も作ったよ』


キミはお嬢様よりはるかに

地位の高い王子が皿洗いなどを

したのを見て感心していた。